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VoLTEサービス開始!そもそもVoLTEとは

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いよいよ携帯電話もVoLTEが一般化しそうですね。ドコモがスタートすることから、他のキャリアも追従せざるを得なくなりそう。

そもそもVoLTEって何なんでしょう?これまでの電話サービスと、一体全体どこが違うんでしょうかね。今後一般化するのであれば、知っておく必要がありそうです。

でもVoLTEを知るためには、最近巷で用いられるようになったLTEとう言葉についてお勉強しなければなりません。なぜってVoLTEってLTEによる音声通話サービスなんですから。

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photo credit: Johan Larsson via photopin cc

LTEとは何か

LTE(Long Term Evolution)とは、3G、つまり第三世代携帯のデータ通信を高速した規格をいいます。最近では誰もが携帯やスマートフォンからインターネットにアクセスしますよね。でも、通信速度が遅いとイライラしたりします。なかなか画面が表示されなかったり、動画が途中で止まっちゃったりね。

そこでやり取りするデータ通信速度を高速化する技術が随時開発され、一般化されてきているわけです。ちなみに、LTEでは、基地局から端末への下りで100Mbps、端末から基地局への上りで50Mbps程度の最大通信速度が可能となります。まあ、論理上の最大値なので、実際にはこんなには出ないんですけどね。

でもまあ、結構速いってことは、すでにLTEをお使いの方なら実感されているんじゃないでしょうか。

ちなみにLTEを4G、つまり第4世代としているキャリアもあるようですが、この技術は当初第4世代への橋渡しの技術と位置づけられていて、3.9Gつまり第3.9世代として登場した技術なんです。

よってこれに続く技術も、もう開発されていて、これをLTE-Advanced(LTEアドバンスド)と呼びます。これが本当の4G、つまり第4世代携帯の幕開けとなりますね。ちなみにこの技術においては、論理上の最大値は下り1Gbps、上り500Mbpsと、LTEに比べてもかなり高速になりますね。これ、もう光通信速度のレベルですよね。

ということで次にVoLTEの説明

そもそもこれまでの携帯電話やスマートフォンによる通話って、第三世代の通信網や回線網を介して相手と接続されるんだけど、これってインターネットを利用する場合のパケット網は必要ないんです。ですから、ネット全然やらない場合、パケ放題的なサービスを契約しなくても、通話だけならできますよね。

これに対してVoLTE(Voice over LTE:ボルテ)は、音声を、ネットでやりとりするデータと同じパケットに変換して、データとしてやりとりすることで、音声通話を実現する技術です。音声をLTE方式のデータ通信方式にのっけちゃおうということで、Voice over LTEってわけですね。

これまでの通話の場合、自分と相手の回線は、通話中はずっとつながっている必要があったわけですが、これだと多くの人が通話をすると、回線がパンクしちゃうこともありました。接続される回線数には限界がありますから、それを超えると、他の人が電話をしようとしてもつながらなくなってしまったわけです。

でもVoLTEは、通話をする自分と相手で、音声をデータとしてやり取りすることになるので、通話中にも互いに回線をつなげておく必要がないというメリットがあります。

パケ放題のパケットとは、例えば大きな情報をやり取りする場合、それを小荷物に区分けして別々に相手に送る方式といえます。相手先では別々に届いた小荷物を元通りに組み立てることをするので、通信途中は個別の小荷物を目的地に届ける作業をすればいいので、一対一の回線を用意する必要がないんです(これについては別の機会に説明しますね)。

VoLTEを使う場合には、データ通信の契約をキャリアと交わす必要があります。まあ、これまでパケット定額などを契約しているのであれば、その流れでOKなんですけどね。ただし料金体系は少々変わったりするかもしれなせんけど。

まとめると、VoLTEとは、先のLTE方式で音声通話をパケット通信として実現する技術なわけです。って、まんまですね。すみません。

VoLTEとVoIPの違いはなに?

ちなみに皆さんは、VoIPという言葉を以前に耳にしたことありませんか。VoIP(Voice ober Internet Protocol)とは、インターネットなどのネットワークを介して音声データを送受信する技術をいいます。インターネットの通信手順にのっけちゃうことで音声をやりとりするメカニズムってわけです。しかも、VoIPでは、音声情報を優先してやりとりできるようになっているので、比較的安定した通話を実現することができます。

皆さんも使われているLINE電話は、VoIPによって通話を実現しています。VoIPは、音声を、パケットに変換してインターネットを経由させることで、双方向の通話を実現しています。これ、キャリアの回線網を使わないことから、通話料がかからないわけです。

代わりにパケットのやり取り量はすごいことになってるわけですけど、でも、パケ放題などのサービスを使っているので、課金されることはありませんよね。これがVoIPのメリットでもあります。

では、VoIPと、先のVoLTEの違いは何でしょうか。

基本的にIPパケットによって通話を成立させるという意味では、双方は同じです。でも、安定した通話を実現する技術が、VoLTEの通話サービスには加わります。VoIPによる通信を経験されている方であれば、時として通話に大きな遅延が生じたりして、通話しにくいことがあったという方もいらしたのではないでしょうか。

インターネットはパケット通信網であることから、一対一の相互接続回線を確保する必要がないんですが、代わりに、通信速度にムラが出ることがあります。皆さんも、アクセスが遅いことを経験されたこと、あるかと思います。

一方でVoLTEの場合は、通話の際に、やり取りする帯域を保障する技術がそなわっているのです。つまり、VoLTEの場合、通話時の通信速度は、できうる限り一定に保たれることになっているのです。VoLTEにおけるセッション・・・。まあ、難しい話はここでは省略しますが、安定した通話ができる技術が加わっている点が、VoLTEがVoIPと違うということをご記憶いただければと思います。