RYU'S IT Room

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ジェネリックトップレベルドメインってなんだろ

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ここのところ、ジェネリックトップレベルドメインが話題ですね。ご存じでしたか?

「ジェネリックってあの安い薬のことでしょ?」

いやあ、オシイ!いえいえ、オシくはありません。これは、薬ではなく、インターネットにおけるドメイン名のお話なんですね。

今までのドメイン名って、「.com」や「.net」をはじめとする一般的なドメインに限定されていたわけですが、利用者の拡大によってドメイン名が枯渇状態になり、自由な登録ができない状態となりつつあったわけです。

そこで、インターネット資源を全世界的に管理している非営利団体であるICANNは、2012年にあらたなトップレベルドメインを導入するために、ルールを大幅に緩和したんですね。

ちなみに新ドメインには、「.tokyo」「.nagoya」「.london」「.paris」などといった理知的名称を表すドメインなどが登場することになりました。これにより、地域名をブランドとしたコンテンツを、世界に発信できるようになったわけです。

そこで今回は、トップレベルドメインについて、少しだけふれてみたいと思います。

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photo credit: ctsilva via photopin cc

 

ところでIANAってなあに?

 

ドメインについて説明をするまえに、IANAについて少々ふれておきたいと思います。

IANA(アイアナ:Internet Assigned Numbers Authority)とは、アメリカの南カリフォルニア大学のISI(Information Sciences Institute)にある組織であり、IPアドレスやドメイン名、ポート番号などの標準化や割り当て、管理などを行っています。

当初は米国政府によって運営費用の一部が出資されていましたが、1999年、国際的な組織となるために、ICANNの援助によって運営される組織に変更されています。

ちなみにICANN(アイキャン:The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は、インターネットの各種資源を全世界的に調整、管理することを目的として1998年に設立された民間の非営利法人ですが、実は米商務省の配下にあることから、インターネットガバナンスとして国際問題化を引き起こすことになりましたね。

つまり、「インターネットは一国のものではないにも関わらず、その管理が、米国政府機関の配下にあってよいわけ?」的なことですね。

そこで、IANAは米国政府からの直接的な支援を受けずにICANNの配下に入ったわけですが、「ICANNだって米商務省の配下じゃん」というわけです。

 

そもそもドメインって何だろう

 

ドメイン(domain)とは、領域や領土、範囲や分野といった意味合いを持つ言葉ですが、インターネットにおけるドメインとは、コンピュータやネットワークを一意に示し、階層的に管理するための名前をいいます。

インターネット上のコンピュータやネットワークを一意に示すことから、他者と名前が重複すると問題が生じますよね。そこで、これを管理する組織が必要となります。

インターネット上におけるコンピュータやネットワークは、実はIPアドレスと呼ばれる情報によって互いを識別するようになっています。しかしこのIPアドレス、数字の羅列であることから、コンピュータや通信機器が認識するには適しているものの、人が覚える値としては適しません。そこで、人が認識しやすいドメインを設定するとともに、ドメインとIPアドレスの関連付けをしているのです。

このため、たとえばWebブラウザから、ドメイン名を含むURLを指定することで、それに関連つけられたIPアドレスを割り出し、そして目的のサーバへとアクセスを行うことができるようになっているわけです。

 

トップレベルドメインとは

 

トップレベルドメイン(TLD:top level domain)は、ドメイン名をドットで分割した最後の項目を示しています。たとえば、日本のYahoo!のURLは、「yahoo.co.jp」であるわけですが、この中の最後の項目の「.jp」がトップレベルドメインであるわけです。

ちなみにトップレベルドメインは、インフラ用トップレベルドメイン (.arpa)、国/地域別ドメイン(ccTLD:country-code top-level domains )、スポンサードトップレベルドメイン (sTLD)、ジェネリックトップレベルドメイン (gTLD)、制限付きジェネリックトップレベルドメインなどに区分けされています。

 

新ジェネリックトップドメインとは

 

ジェネリックトップレベルドメイン(gTLD:generic top level domain)は、一般ドメインとも呼ばれ、先にふれたトップレベルドメインの中のひとつとして位置づけられます。

ジェネリックトップレベルドメインは、国や地域に関係なく取得可能なドメインであり、もともと「.jp」「.uk」などの国/地域別ドメインとは区別されています。

また、これに対して新ジェネリックトップドメイン(新TDL:new gTLD)とは、これまでのジェネリックトップレベルドメインに加え、新たに募集され、審査の上に承認されたジェネリックトップドメインのことを示します。

ルールが緩和されたことから、今後もさらに多くのドメインが認証される可能性があります。

インターネットが普及した当初は、「.com」「.org」「.gov」「.edu」「.mil」の5種類のみだったジェネリックトップレベルドメインも、2000年に「.biz」や「.info」を始めとする7件、2003年には「.mobi」や「.asia」など8件が新gTLDとして承認されてきています。

これまではあまり目にしないドメインを、最近は目にされたという方もいらっしゃることでしょう。

また、2012年の募集においては、審査プロセスや申請条件が大きく緩和されたことから、今後はさらに多くの新gTLDがお目見えすることでしょう。