RYU'S IT Room

 IT関連ニュースなどの旬な情報をもとにインターネットやコンピュータ、情報通信技術などについてわかりやすく解説を進めます。

ブロードコムがIEEE802.11acプラットフォームを発表

Sponsored Link

すでに製品が出回っていますが、いよいよIEEE802.11acが一般化してきましたね。どんどんと進化するので、ついて行くのが大変です。というより、買い替えるお金が大変なんですって意味なんですけれどね。

「ちょっとまってよ。何のことかさっぱりわからないんだけど」

ご心配いりません。ということで、今回は無線LANの規格について少々お話をしていきたいとおもいます。

が、その前に、ブロードコム(Broadcom)は、米国カリフォルニア州に本社を構える半導体やエレクトロニクス製造の法人です。ここが最大3.2Gbpsの無線LANプラットフォームである「5G WiFi XStream」を発表したというのが、ニュースになっていたわけです。

f:id:freedomlife:20140425191330j:plain

photo credit: FutUndBeidl via photopin cc

■無線LANって規格があるわけ?

そうなんです。ご存じの方も多いかと思いますが、随時新しい規格が登場しては、通信速度にも向上が図られているのです。ちなみに、IEEE802ってのは、IEEE(米国電気電子学会)で策定されるLAN技術の標準規格であり、「あいとりぷるいーはちまるに」と読みます。また、1998年には、無線LANの標準規格群を策定していますが、これがIEEE802.11です。

IEEE802.11には、実はさまざまな規格が存在します。それぞれ利用周波数や転送方式が異なります。ちなみに、皆さんもご自宅で無線LANを利用されていらっしゃることでしょう。もし、無線LANルーターをお持ちであれば、その側面や底などにこの言葉を探してみていただきたいと思います。表示方法はまちまちですが、そこには「IEEE802.11a/b/g/n」などと記されているかもしれません。これって「a」「b」「g」「n」それぞれの規格に対応しているってことを意味しています。

■無線LANのそれぞれの規格の違い

無線LAN規格がいくつかあることについてご理解いただけたかと思います。次にそれぞれの規格について簡単にご紹介することにします。

まず、最初のIEEE 802.11bは2.4GHz帯の無線で約11Mbpsの通信を行う仕様となっています。無線LANが登場した当時、この仕様が採用した製品が登場しています。次のIEEE 802.11aは、5.2GHz帯を用いて約54Mbpsの通信を行う仕様です。少々専門的なことを加えるなら、変調方式にOFDM方式、MAC層においてCSMA/CAを採用しています。そして次に登場するのがIEEE 802.11gです。IEEE 802.11gは、2.4GHz帯で約54Mbpsの通信を行うことが可能であり、ハンディタイプのゲーム機などもこの規格を採用しました。無線ルーターがちょっと古くなったかなと思われているのであれば、この規格のものかもしれません。

また、2014年現在、最も多く普及しているのがIEEE 802.11nになります。IEEE 802.11nでは、2.4GHz帯または5GHz帯の無線で最高600Mbpsの通信を行うことができますが、製品としては、最高速度150Mbpsもしくは300Mbpsのものが主流となっています。

そして今後普及することになるのが、IEEE 802.11acです。IEEE 802.11acでは、5GHz帯の電波を用いて433Mbps~6.93Gbpsの高速なデータ通信を行うことが可能です。すでに対応製品のリリースは開始されていますが、複数のアンテナによってデータの送受信帯域を拡大させることのできるMIMO(Multiple Input Multiple Output)が採用されています。また、同一周波数で同時に複数の端末と通信できるMU-MIMO(マルチユーザMIMO)にも対応しています。

IEEE 802.11acにおいては、Gbpsでの通信が実現できることから、高速の光回線を用いていたとしても、なんらボトルネックになることなく、無線LANを使うことが可能です。

なお、IEEE 802.11ac対応の無線LANルーターを用いることで、高速な通信を行うためには、これを受けるPCやスマホ、タブレット側においても、同様の無線LAN規格に対応している必要があります。

■ブロードコムが発表したIEEE802.11acプラットフォームとは

さてでは、ブロードコムが発表したIEEE802.11acプラットフォーム「5G WiFi XStream」とは、どのようなものなのでしょうか。

「5G WiFi XStream」においては、先にふれたMINOを採用しています。5GHz帯無線2つと2.4GHz帯無線1つで構成され、5コアCPUを搭載することで、5GHz帯の同時マルチチャネル機構により160MHzの帯域幅で6つの11acストリームを実現するんだそうです。

 やり取りする情報を識別し、動画などのストリーミング情報を優先して送るなどQoSや、接続されるwi-fi機器が最適な状態で通信ができるように制御するためのソフトウェアなどを実装することから、このプラットフォームに接続される機器のパフォーマンスは、すべてが総じて高速かつ安定した通信を実現することができるようになるんだそうです。楽しみですね。